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アロマと認知症の関係 >>

《ここから追記》◆認知症と嗅覚の深い関係◆
数年前、テレビ番組で「アロマテラピーで認知症の予防や改善ができる」という放送がされてから、アロマテラピーへの関心がますます高まっています。一時は、アロマショップの店頭から、テレビで紹介された精油が売り切れになってしまったほどです。アロマテラピーは香りを使った自然療法で、芳香成分が嗅覚を通してダイレクトに脳を刺激します。この「嗅覚への刺激」が認知症の予防と改善に大きな力をもたらすキーとなっています。

認知症といえば、まず「もの忘れ」から始まるように思いがちですが、認知症研究の第一人者、鳥取大学医学部教授の浦上克哉教授によると、アルツハイマー型認知症では最初に嗅覚が低下し、いいにおいといやなにおいの区別がつきにくくなります。この事実は、30年も前に起きた、ある興味深いエピソードがきっかけで発見されました。

◆認知症になるとにおいがわからなくなる◆
当時、浦上教授が認知症の患者さんの調査のために家庭訪問を行っていると、あるご高齢の方がおもてなしにお菓子を出してくれました。ところが、そのお饅頭からは異臭がします。同行した保健師さんと「おかしいね」という話になり、丁重にお願いして冷蔵庫を見せてもらうと、中には傷んだ食品がいっぱい。どうして、こんなことが起きるのかと思いめぐらし「においがわからなくなっているのではないか?」という推論にいきつきます。 その後、認知症の患者さんに嗅覚機能のテストを実施したところ、認知症を発症した初期段階、つまりもの忘れが始まる以前から嗅覚の機能が衰え始めていることが証明されました。嗅覚の細胞は脳の神経細胞の中でも数少ない、破壊されても再生することのできる細胞です。嗅神経をうまく刺激すれば、認知症を改善したり、予防したりできるのではないか?と考えた浦上教授は試行錯誤の末に、香りによって嗅覚を刺激する療法、アロマテラピーにたどり着いたのだそうです。

◆香りが脳に届くメカニズム◆
アロマテラピーが認知症の予防や改善に効果を発揮するのは、認知症によって起こる脳の変化と密接に関連しています。アルツハイマー型認知症では、脳の中心部にあり記憶を蓄える海馬という部分が萎縮します。それだけでなく、情動の発動装置といわれストレス耐性にも大きく関係する扁桃体や、ホルモンの分泌を調整し自律神経を司る視床下部にも障害が起きます。私たちが香りを吸い込むと匂いの分子は鼻腔を通り、その奥にある嗅細胞にある嗅覚受容体で受け止められます。その香りの情報が嗅神経を介して嗅球に伝えられ、海馬や扁桃体といった機能がある大脳辺縁系に届き、視床下部へと瞬時に伝えられます。つまり、アロマテラピーは、認知症で破壊されていく脳の部分に香りの分子を使って直接刺激できるというわけです。

◆どんな精油が認知症ケアに効果があるの?◆
浦上教授による研究では、精油の特性を調べ、実験していったところ、嗅神経や海馬の神経を活性化する力がもっとも高かったのが「ローズマリー・カンファー」であり、2番目が「レモン」だったそうです。ローズマリー・カンファー2:レモン1の割合でブレンドし、昼の2時間、芳香浴をします。 ここで注意しなければならないのは、「ローズマリー」といっても3種類あり、間違えないようにしなければならないことです。ローズマリーには、シオネールとベルベノン、そしてカンファーがあります。原産地や気候によって成分が異なり、カンファーはこれまで神経への毒性があるとされ、リラクセーション用には使われない精油でした。ですから、お店にいって「ローズマリーをください」といっても一般的なローズマリー・シオネールを出されてしまうことが多いのです。 医療の現場では、この毒性を利用して神経を刺激します。容量を間違えなければ、毒も薬になるというわけです。こういった使い方は、一般的なアロマテラピーの講座では学べませんから、特別に勉強する必要があります。

◆良質の睡眠をもたらす夜のアロマ◆
夜も2時間、芳香浴をします。夜のブレンドは、真正ラベンダー2:スイートオレンジ1です。この香りは副交感神経を刺激して深いリラックスをもたらし、良質な睡眠を誘導します。実際に、このアロマ療法を試した患者さんからは、「よく眠れるようになった」という声が聞かれているそうです。 アルツハイマー型認知症では、アミロイドβやタウと呼ばれるタンパク質が脳に溜まることで、脳の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮します。最近の研究では、いい睡眠によって、このアミロイドβタンパク質がよく溶け、脳に溜まりにくくなることがわかっています。

◆40代、50代の予備軍も始めたいアロマテラピー◆
このアミロイドβは、10年~20年かけて脳に蓄積され、タウは15年前から脳内で増殖します。ですから、アロマテラピーによる認知症予防は、40代でも早すぎるということはないですし、既に認知症の兆候が見えてきた70代でも改善が見込めるため、遅すぎないといわれます。 認知症への効果は、アロマテラピーのパワーの一部にすぎません。エビデンス(科学的根拠)のあるアロマテラピー研究は、今後ますます盛んになっていきます。超高齢化社会に備え、医療への応用が期待されるメディカルアロマを学ぶことは、社会貢献にもつながるあなたの大きな力となってくれるでしょう。

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